取引ツール

原資産の定義

原資産の定義
リース取引関係

デリバティブ

デリバティブは店頭市場(OTC)または取引所で取引できます。店頭デリバティブ(英: Over-the-counter derivatives)は、デリバティブ市場の大部分を占めています。OTC取引されたデリバティブは、通常、取引相手先リスクの可能性が高くなります。「取引相手先リスク」または「カウンターパーティリスク(英語: Counterparty Risk)」は、取引に関係する当事者の1人がデフォルトする可能性がある危険です。これらの2当事者がお互いの間で取引し、規制されていません。

デリバティブの基本:

主要ポイント:

  • デリバティブは、原資産またはベンチマークから価値を引き出す証券。
  • 一般的なデリバティブには、先物契約、先物、オプション、およびスワップが含まれる。
  • ほとんどのデリバティブは取引所で取引されておらず、金融機関がリスクをヘッジしたり、原資産の価格変動を推測するために使用されている。
  • 先物や株式オプションなどの取引所で取引されているデリバティブは標準化されており、店頭デリバティブの多くのリスクを排除または軽減できる。
  • デリバティブは、通常、潜在的なリスク報酬比率を高めるレバレッジを利用する金融商品。

デリバティブの一般的な形式

1. 先物取引(英: Futures contract):

先物取引(英: Futures contract)は、将来の特定した日付に特定された価格で資産を売買される二者間の契約です。先物取引は取引所で取引され、契約は標準化されています。トレーダーは先物取引を使用してリスクをヘッジしたり、将来の原資産価格を推測したりします。先物取引に関与する当事者は、原資産の売買のコミットメントを履行する義務があります。

たとえば、CMEの「ウェスト・テキサス・インターミディエイト」または「原油価格(WTI原油先物)」の原油先物取引は1,000バレルの石油を表します。石油価格が53.10ドルから1バレルあたり70ドルに上昇した場合、原油先物取引でロングポジションのトレーダー(買い手)は、16,900ドル((70ドル-53.原資産の定義 10)X 1,000 = 原資産の定義 16,900ドル)の利益を得ますが、ショートポジションのトレーダー(売り手)は、16,900ドルの損失を被ります。

2. 先渡取引:

3. スワップ:

4. オプション:

または、投資家が現在1株あたり1,000円相当の株式を所有していないと仮定します。しかし、彼らは株価が来月に値上がりすると信じています。この投資家は、コールオプションを購入して、満期前または満了時に1,000円で株式を購入する権利を与えることができます。このコールオプションの価格は10円で、有効期限が切れる前に株価が1,100円に上昇したと仮定します。コールオプションの購入者は、オプションを行使して、1株あたり1,100円の株式を、1株あたり100円の初期利益である10円の権利行使価格で購入できるようになりました。コールオプションは100株を表すため、実質利益はオプションのコストである1,000円からプレミアム(1,000円 – 10円= 990円)および仲介手数料を差し引いたものです。

そろそろ日本の証券会社でも購入可能になる【RYLD】についてまとめてみた(グローバルX ラッセル2000・カバード・コール ETF)

超高配当系

そろそろグローバルX ラッセル2000・カバード・コール ETF【RYLD】が、日本の証券会社で取り扱いが始まりそうなので、まとめました。

【RYLD】はどんなETFか?

グローバルX ラッセル2000・カバード・コール ETF【RYLD】は、カバードコール戦略で利益を狙います。 米国企業の小型株の集合体である「ラッセル2000インデックス」を保有しながら、「ラッセル2000インデックス」を将来買う権利を売るオプション取引を行います。

将来買う権利を売ることを、「コールオプションの売り」と言います。表の上から2番目の黄色の部分です。

オプションを売ったことで、プレミアムを受け取ることができます。そして獲得したプレミアムは、【RYLD】を保有している投資家に分配金として支払います。この分配金額が多額で、 毎月、株価のほぼ1%が最大値 です。年利に換算すると12%を目標としています。

対象となるラッセル2000とは何か?

「ラッセル2000インデックス」 というのは、米国の株式市場に上場している銘柄の時価総額1001~3000位までの小型株の集合体です。

時価総額1~1000位が「ラッセル1000インデックス」に該当し、これらは規模の大きな中・大型株です。ラッセル1000とラッセル2000を合わせたものが「ラッセル3000インデックス」で、この3000銘柄で米国の時価総額約98%に該当すると言われています。

ちなみに、「ラッセル2000インデックス」を対象としたETFは、バンガード社の 【VTWO】 、ブラックロック社の 【IWM】 などがあります。

【QYLD】はナスダック100指数が対象のカバードコールETF、【XYLD】はS&P500が対象のカバードコールETFです。どちらも米国の大型株が対象です。上の三角形の図形の 「ラッセル1000」に該当する銘柄に【QYLD】は9割以上、【XYLD】はほぼ100% 入ります。

それに対して、小型株中心の【RYLD】はラッセル2000が対象なので、 三角の図形の下の部分に100%該当 します。つまり、【RYLD】は【QYLD】や【XYLD】とは対象が全く異なると言えます。

プロセスは?

(1)ラッセル2000インデックスのすべての株式を購入します。
(2)毎月第3金曜日に、1カ月後に満期を迎えるラッセル2000インデックス・オプションを販売します。翌月の第3金曜日が満期です。
(3)オプションの販売と引き換えに、プレミアムを受け取ります。
(4)満期日が過ぎたら、プレミアムの一部を【RYLD】ホルダーに分配します。
(5)翌月以上もこのプロセスが繰り返されます。

プレミアムの価値は?

(1)原資産価格
(2)オプションの権利行使価格
(3)オプション満期までの残り時間
(4)原資産のボラティリティ
(5)リスクフリーレート(金利)

オプションの権利行使価格は?

オプションの権利行使価格はATM(アット・ザ・マネー)です。原資産価格と権利行使価格が同じです。米国の株価は 近年好調だったので、1カ月後に同じ価格で買うことができるのは買い手に有利です。 そのためプレミアムの代金はそれなりに高くなります。

権利行使日に価格が上がった場合は、実際の株をやり取りせずに、その差額を支払うことになります。これを 差金決済 と言います。

実際の取引を図で解説

まず前提として、現在の【RYLD】の株価を20ドルとします。 原資産であるラッセル2000の株価も同じく20ドルと仮定します。 プレミアム(オプション料)はNAVの2%で0.4ドル、【RYLD】のホルダーがもらえるプレミアムはNAVの1%である0.2ドルにします。最近の【RYLD】の株価は20ドル前後、分配金が0.2ドル強なので、妥当なところですね。ちなみにNAVと株価は厳密には異なりますが、ここでは同じとして考えます。

1カ月後の株価が5%上昇した場合

1か月後の株価に変化がなかった場合

1か月後の株価が5%下落した場合

権利行使日の株価とRYLD・原資産(ラッセル2000)の収益の関係

分配金額の決め方

【RYLD】の毎月の分配金は、(1)純資産価値(NAV)の1%、(2)受け取ったオプション・プレミアムの半分、のいずれか低い方を上限とします。受け取ったオプション・プレミアムに超過分がある場合は、ファンドに再投資されます。

オプション・プレミアムが好調で2%を超えていたケースは、オプション・プレミアムの半分が1%を超えるので(1)となり、分配金はNAVの1%になります。下の表の背景色のついていない箇所です。

(2)はオプション・プレミアムが2%を下回った場合です。オプション・プレミアムの半分になるので、分配金はNAVの1%未満になります。下の表の 背景が緑色の箇所 が、オプションプレミアムが2%を下回っていたケースです。NAVに対して1%未満になるので、(1)より少ないですね。下の表の 背景色が黄色 の割合になります。

ただし(2)オプション・プレミアムが2%を下回った場合はオプション・プレミアムのちょうど半分の50%ではないようです。下の表の 背景がオレンジ色の箇所 が比率です。

ちなみに、NAVと株価はほぼ同じです。オプション・プレミアムを2%以上獲得できていれば、株価の1%ぐらいが分配金の目安と言えそうです。つまり、毎月株価のほぼ1%が上限なので、 年間の利回りの最高値は12% になります。

ただし、2021年12月だけは、分配金が上限の1%を大きく上回って 1.27% です。1年間の運用がうまくいったため、キャピタル・ゲイン分配金を合わせたものと考えられます。

2020年3月以降は オプションプレミアムが2%を上回っており、これが2年以上 も続いています。 【RYLD】は【QYLD】や【XYLD】よりもプレミアムを獲得できている と言えます。

ちなみに、NAVから算出した過去1年分配金(2021年4月から2022年3月)は 11.94 % で、ほぼ上限の12%です。2021年12月の分配金は上限の1%で計算しました。これが現在の利回りという考え方もできますね。

獲得したオプション・プレミアムの比較

獲得したオプションプレミアムの比較です。グローバルX社の「GLOBAL X COVERD 原資産の定義 CALL ETF SUITE」のデータをグラフ化しました。50%カバードコール戦略ETFが設定された2020年9月以降の平均は、カバードコールETFは 【RYLD】2.70%、【QYLD】2.44%、【XYLD】1.81% 。【DJIA】は2022年3月の1回のみで1.76%。50%カバードコール戦略ETFは 【QYLG】1.32%、【XYLG】0.86% です。

そろそろ日本の証券会社でも購入可能になる【RYLD】についてまとめてみた(グローバルX ラッセル2000・カバード・コール ETF)

超高配当系

そろそろグローバルX ラッセル2000・カバード・コール ETF【RYLD】が、日本の証券会社で取り扱いが始まりそうなので、まとめました。

【RYLD】はどんなETFか?

グローバルX ラッセル2000・カバード・コール ETF【RYLD】は、カバードコール戦略で利益を狙います。 米国企業の小型株の集合体である「ラッセル2000インデックス」を保有しながら、「ラッセル2000インデックス」を将来買う権利を売るオプション取引を行います。

将来買う権利を売ることを、「コールオプションの売り」と言います。表の上から2番目の黄色の部分です。

オプションを売ったことで、プレミアムを受け取ることができます。そして獲得したプレミアムは、【RYLD】を保有している投資家に分配金として支払います。この分配金額が多額で、 毎月、株価のほぼ1%が最大値 です。年利に換算すると12%を目標としています。

対象となるラッセル2000とは何か?

「ラッセル2000インデックス」 というのは、米国の株式市場に上場している銘柄の時価総額1001~3000位までの小型株の集合体です。

時価総額1~1000位が「ラッセル1000インデックス」に該当し、これらは規模の大きな中・大型株です。ラッセル1000とラッセル2000を合わせたものが「ラッセル3000インデックス」で、この3000銘柄で米国の時価総額約98%に該当すると言われています。

ちなみに、「ラッセル2000インデックス」を対象としたETFは、バンガード社の 【VTWO】 、ブラックロック社の 【IWM】 などがあります。

【QYLD】はナスダック100指数が対象のカバードコールETF、【XYLD】はS&P500が対象のカバードコールETFです。どちらも米国の大型株が対象です。上の三角形の図形の 「ラッセル1000」に該当する銘柄に【QYLD】は9割以上、【XYLD】はほぼ100% 入ります。

それに対して、小型株中心の【RYLD】はラッセル2000が対象なので、 三角の図形の下の部分に100%該当 します。つまり、【RYLD】は【QYLD】や【XYLD】とは対象が全く異なると言えます。

プロセスは?

(1)ラッセル2000インデックスのすべての株式を購入します。
(2)毎月第3金曜日に、1カ月後に満期を迎えるラッセル2000インデックス・オプションを販売します。翌月の第3金曜日が満期です。
(3)オプションの販売と引き換えに、プレミアムを受け取ります。
(4)満期日が過ぎたら、プレミアムの一部を【RYLD】ホルダーに分配します。
(5)翌月以上もこのプロセスが繰り返されます。

プレミアムの価値は?

(1)原資産価格
(2)オプションの権利行使価格
(3)オプション満期までの残り時間
(4)原資産のボラティリティ
(5)リスクフリーレート(金利)

オプションの権利行使価格は?

オプションの権利行使価格はATM(アット・ザ・マネー)です。原資産価格と権利行使価格が同じです。米国の株価は 近年好調だったので、1カ月後に同じ価格で買うことができるのは買い手に有利です。 そのためプレミアムの代金はそれなりに高くなります。

権利行使日に価格が上がった場合は、実際の株をやり取りせずに、その差額を支払うことになります。これを 差金決済 と言います。

実際の取引を図で解説

まず前提として、現在の【RYLD】の株価を20ドルとします。 原資産であるラッセル2000の株価も同じく20ドルと仮定します。 プレミアム(オプション料)はNAVの2%で0.4ドル、【RYLD】のホルダーがもらえるプレミアムはNAVの1%である0.2ドルにします。最近の【RYLD】の株価は20ドル前後、分配金が0.2ドル強なので、妥当なところですね。ちなみにNAVと株価は厳密には異なりますが、ここでは同じとして考えます。

1カ月後の株価が5%上昇した場合

1か月後の株価に変化がなかった場合

1か月後の株価が5%下落した場合

権利行使日の株価とRYLD・原資産(ラッセル2000)の収益の関係

分配金額の決め方

【RYLD】の毎月の分配金は、(1)純資産価値(NAV)の1%、(2)受け取ったオプション・プレミアムの半分、のいずれか低い方を上限とします。受け取ったオプション・プレミアムに超過分がある場合は、ファンドに再投資されます。

オプション・プレミアムが好調で2%を超えていたケースは、オプション・プレミアムの半分が1%を超えるので(1)となり、分配金はNAVの1%になります。下の表の背景色のついていない箇所です。

(2)はオプション・プレミアムが2%を下回った場合です。オプション・プレミアムの半分になるので、分配金はNAVの1%未満になります。下の表の 背景が緑色の箇所 が、オプションプレミアムが2%を下回っていたケースです。NAVに対して1%未満になるので、(1)より少ないですね。下の表の 背景色が黄色 の割合になります。

ただし(2)オプション・プレミアムが2%を下回った場合はオプション・プレミアムのちょうど半分の50%ではないようです。下の表の 背景がオレンジ色の箇所 が比率です。

ちなみに、NAVと株価はほぼ同じです。オプション・プレミアムを2%以上獲得できていれば、株価の1%ぐらいが分配金の目安と言えそうです。つまり、毎月株価のほぼ1%が上限なので、 年間の利回りの最高値は12% になります。

ただし、2021年12月だけは、分配金が上限の1%を大きく上回って 1.27% です。1年間の運用がうまくいったため、キャピタル・ゲイン分配金を合わせたものと考えられます。

2020年3月以降は オプションプレミアムが2%を上回っており、これが2年以上 も続いています。 【RYLD】は【QYLD】や【XYLD】よりもプレミアムを獲得できている と言えます。

ちなみに、NAVから算出した過去1年分配金(2021年4月から2022年3月)は 原資産の定義 11.94 % で、ほぼ上限の12%です。2021年12月の分配金は上限の1%で計算しました。これが現在の利回りという考え方もできますね。

獲得したオプション・プレミアムの比較

獲得したオプションプレミアムの比較です。グローバルX社の「GLOBAL X COVERD CALL ETF SUITE」のデータをグラフ化しました。50%カバードコール戦略ETFが設定された2020年9月以降の平均は、カバードコールETFは 【RYLD】2.70%、【QYLD】2.44%、【XYLD】1.81% 。【DJIA】は2022年3月の1回のみで1.76%。50%カバードコール戦略ETFは 【QYLG】1.32%、【XYLG】0.86% です。

【わかりやすく!】IFRS16「リース」について解説〜借手側の会計処理

リース取引関係

IFRS16における会計処理の考え方

IFRS16におけるリースの定義

IFRS16で定められている借手側の会計処理

勘定科目借方勘定科目貸方
使用権資産5,000,000リース負債5,000,0000

・リース料の改訂があった場合には、改訂後の割引率(以下のいずれか)
a. リース期間の残り期間についてのリースの計算利子率
b. リースの計算利子率が容易に算定できない場合、見直し日現在の借手の追加借入利率

短期リース及び少額資産のリースにおける会計処理

その他の論点

【わかりやすく】のれんの減損について解説【論文式試験にも出題】

【わかりやすく!】ファイナンスリースの判定と借手側の会計処理を解説

【わかりやすく】キャッシュ・フロー計算書について解説②〜活動区分ごとの詳細

今回は、キャッシュ・フロー計算書における活動区分ごとの読み方について解説していきます。 前回の記事でキャッシュ・フロー計算書の概要と全体的な構造について解説しました。まだ見ていない方は、是非チェックしてみてください。 キャ.

【わかりやすく!】IFRSにおける投資不動産の会計処理を解説

今回はIFRSの投資不動産に関する基準について解説をしていきます。 IFRSにはIAS第40号「投資不動産」という基準があり、投資不動産の会計処理について具体的に定められています。 一方、日本基準では投資不動産に関する会計基準.

IFRS第9号 金融資産Part-Ⅲ(金融資産の分類(契約キャッシュ・フロー特性))

(※)分類要件の評価は、「契約キャッシュ・フロー特性の評価」と「事業モデルの評価」のいずれを先に行ってもよい。
FVPL:純損益(PL)を通じて公正価値で測定(Fair Value through PL)
FVOCI:その他の包括利益(OCI)を通じて公正価値で測定(Fair Value through OCI)

契約キャッシュ・フロー特性要件を満たした金融資産のうち、 契約キャッシュ・フローを回収することを目的 として金融資産を保有する事業モデルで保有されているものは、「 償却原価測定 」に分類されます。

また、契約キャッシュ・フロー特性要件を満たした金融資産のうち、 契約キャッシュ・フローの回収及び売却の両方を目的 として管理・保有するという事業モデルの中で保有されているものは「 FVOCI測定 」に分類されます。

一方、 契約キャッシュ・フロー特性を満たさない か、あるいは、 上記いずれの事業モデルにも該当しない事業モデル において保有されている金融資産は「 FVPL測定 」に分類されます。

なお、償却原価測定もしくはFVOCI測定に分類される金融資産に対しても、 当初認識時 において、 一定の要件を満たすことを条件 に、企業はその金融資産を FVPL測定に分類するという指定 ( 公正価値オプション )を行うことができます。

また、資本性金融商品に対する投資については、 契約キャッシュ・フローを回収することを目的とする事業モデルの中で保有することができず、また、契約キャッシュ・フロー特性要件も満たさないためFVPL測定に分類 されますが、 当初認識時 において、 一定の要件を満たすことを条件 にその金融資産を FVOCI測定(リサイクルなし)に分類するという指定 ( OCIオプション )を行うことができます。

2.契約キャッシュ・フロー特性要件(SPPI要件)

IFRS第9号では、金融資産から生じる契約キャッシュ・フローが、「 元本および元本残高に対する利息の支払いのみ(SPPI;solely payments of principal and interest) 」を表していない限り、その金融資産を償却原価測定もしくはFVOCI測定に分類することはできません。

2-1.元本および利息の基本的な考え方

契約キャッシュ・フロー特性要件における利息の定義を満たさなくなるの具体例
・株価や商品価格、債務者の業績など、 基本的な融資と整合しないような変数に連動 するように契約金利が決定されている場合
(ただし、業績連動金利については、 債務者の信用悪化による損失補てん目的で金利が上乗せされるだけ であるならば、キャッシュ・フロー要件を満たす可能性がある)
・市場金利に1より大きい変数を乗じて決定されるような レバレッジ要素 が契約キャッシュ・フローに含まれている場合
∵契約キャッシュ・フローの変動性を増幅させ、 利息としての経済的特徴を満たさなくなる ため
・転換社債(転換権が付与されていることで 発行体の株価を基礎数値とする受取オプション料が含まれる ためキャッシュ・フロー要件を満たさない)
・株式等の資本性金融商品( 満期がなく、利息の支払い義務もない 商品であることから、キャッシュ・フロー要件を満たさない)

契約条件が金融資産の分類に影響を与えない可能性がある場合の具体例
・契約条件が、契約キャッシュ・フローに与える可能性のある影響が、 各期においても累積でも僅少 な場合
・影響が僅少とは言えない場合でも、その契約条件が 真正でない ( きわめて稀で異常な、発生する可能性が極めて低い )場合

以下の設例1・2は、 契約キャッシュ・フロー特性要件を 満たす と考えられる金融資産の例になります。

【設例1:金利キャップ付き変動金利付債券の契約キャッシュ・フロー特性要件の検討】
固定金利の金融商品や変動金利の金融商品の契約キャッシュ・フローは、利息がこの金融商品に関連した 貨幣の時間価値への対価、信用リスクへの対価、およびその他の基本的な融資のリスクやコストへの対価、ならびにマージンを反映 している限り、元本および元本残高に対する利息の支払いとなります。
したがって、金利キャップ付き変動利付債券のように、固定金利と変動金利を組み合わせた金融商品は、キャッシュ・フローが元本および元本残高に対する利息の支払いである可能性があります。

【設例2:物価連動国債の契約キャッシュ・フロー特性要件の検討】
物価連動国債とは、元本金額が物価の動向(日本の場合は、全国消費者物価指数)に連動して増減する国債です。
日本が2008年まで発行していた物価連動国債は、物価の下落時の元本保証はありませんでしたが、2013年に発行が開始された物価連動国債は、物価下落時の元本保証があります。
IFRS第9号の説例では、レバレッジのかかっていない、 物価指数に連動している金利の支払いは、商品に対する「実質」金利を反映しているため、元本残高に対する利息の支払いである といえ、したがって元本が保証されている物価指数に連動している債券については、契約キャッシュ・フロー特性要件を満たすものであるとされています。
一方、元本保証されていない場合にも契約キャッシュ・フロー特性要件を満たすかどうかについて、IFRS第9号には明確な定めがありません。
この点、金利が基本的な融資契約と整合するような利息の定義を満たしている限り、物価下落により名目元本が減少する可能性がある場合であっても、契約キャッシュ・フロー特性要件を満たすものと考えられます。

以下の設例3・4は、 契約キャッシュ・フロー特性要件を 満たさない と考えられる金融資産の例になります。

【設例3:リバース・フローター型貸出金の契約キャッシュ・フロー特性要件の検討】
この設例におけるリバース・フローター型貸出金は、逆変動金利を支払う貸出金であり、すなわち、金利が市場金利と逆方向に変動することになります。
例えば、契約金利が10%-6カ月LIBOR(金利フロアー付き)と設定されている貸出金です。
この貸出金の契約キャッシュ・フローは、元本および元本残高に対する利息の支払いのみとは言えません。
なぜならこの貸出金の利息金額は、 元本残高に対する貨幣の時間価値の対価とは言えないため です。

【設例4:永久債の契約キャッシュ・フロー特性要件の検討】 原資産の定義
この設例における永久債は、契約満期の定めがないものの、発行者はいつでもこの債券を償還し、保有者に額面金額と未払利息の合計額を支払うことができるものです。
金利条件としては変動する市場金利が支払われますが、支払い直後に発行者が支払い能力を維持できなければ、利息の支払いはできないことになっています。
また、繰り延べた利息相当分に対しては、追加的な利息を生じさせないものとなっています。
このような永久債の契約キャッシュ・フローは、元本および元本残高に対する利息の支払いではありません。
なぜなら、発行者は利息の支払いを繰り延べるように求められる場合がありますが、 繰り延べられた利息の金額に係る追加的な利息は生じないため です。
(繰り延べられた金額に係る利息が発生する場合には、契約キャッシュ・フロー特性要件を満たす可能性があります)
なお、このように 金融商品が永久的であること自体は、契約キャッシュ・フローが元本および元本残高に対する利息の支払いでないことを意味しません 。
事実上、 永久債は連続的な複数の延長オプションを有している といえます。

2-2.貨幣の時間価値の改変

契約キャッシュ・フロー特性要件における利息の定義に含まれる 貨幣の時間価値 は、 利息の要素のうち、時の経過だけについての対価を提供 するものです。

貨幣の時間価値が改変され不完全になっている場合 、例えば、金利が定期的に改定されるものの 金利改定の頻度と改訂される金利の期間が一致していない場合 には、改訂された貨幣の時間価値を含む契約キャッシュ・フローと改変されていないベンチマーク商品の キャッシュ・フローの比較 を行わなければなりません。

そのような商品に対して、定性的評価もしくは定量的評価により比較した結果、ベンチマーク・キャッシュ・フローの差異に関する 各期間における影響と金融資産の残存期間にわたる累積的影響が重要な場合 、この金融資産は 契約キャッシュ・フロー特性要件における利息の定義を満たさない ことになります。

例えば、満期10年で金利が1ヵ月ごとに1年金利に更改される債券について定量的な評価を実施する場合、 当該債券の割引前キャッシュ・フロー を、 金利改定期間が1ヵ月で、金利計算期間も1ヵ月の債券の割引前のベンチマーク・キャッシュ・フローと比較 原資産の定義 して、両者の差異が重要でない場合には、キャッシュ・フロー要件を満たしますが(償却原価測定またはFVOCI測定区分)、差異が重要である場合にはキャッシュ・フロー要件を満たしません(FVPL測定区分)。

この場合、 満期までの期間にわたる合理的な金利予測に基づいて、1ヵ月金利と1年金利との差異が重要でないと言えない限り、キャッシュ・フロー要件を満たしません 。

2-3.契約キャッシュ・フローの時期または金額を変化させる契約条件

たとえば、 早期償還条項や期間延長条項がある場合 、これらの条項の発効により 金融商品のキャッシュ・フローの金額や時期が修正 されます。

このような、キャッシュ・フローの金額や時期を修正する条項については、 当該条項の発効前後のキャッシュ・フローがともに契約キャッシュ・フロー特性要件(元本および元本残高に対する利息の支払いのみ)を満たさなければなりません 。

早期償還条項や期間延長条項が契約キャッシュ・フロー特性要件を満たすケースの具体例
・早期償還額が実質的に 未払いの元本および利息相当額 である(早期償還に係る合理的な補償額を含む)
延長期間のキャッシュ・フローが契約キャッシュ・フロー特性要件を満たす (期間延長に係る合理的な補償額を含む)

たとえば、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が組み込まれたクレジットリンク債には一般的に早期償還条項が付されており、CDSの参照体にクレジット・イベントが発生した場合、早期償還額は担保証券の 公正価値からCDSの支払い額を控除した金額 になります。

この場合、 早期償還額が元本および未払利息相当額を下回るため 、契約キャッシュ・フロー特性要件を満たさない と考えられます。

2-3-2.原資産の定義 早期償還条項に係る前述の原則的な契約キャッシュ・フロー特性要件の評価方法の例外

原則であれば早期償還条項については、 当該条項の発効前後のキャッシュ・フローがともに元本および元本残高に対する利息の支払いのみである(契約キャッシュ・フロー特性要件) 必要があります 。

早期償還条項に係る前述の原則的な契約キャッシュ・フロー特性要件の評価方法の 例外 として、額面による早期償還条項については、以下の すべてを満たす場合にキャッシュ・フロー要件を満たす とされています。

・ 割引 または 割増発行額 で取得した金融商品である
・早期償還額が 実質的に額面および未払利息相当額 である(早期償還に係る合理的な補償を含む)
・当初認識時において、 早期償還特性の公正価値が重要ではない

例えば、 割引取得した不良債権ポートフォリオに額面での期限前償還条項が付されていた場合 、 不良債権の債務者が早期償還のための資金調達を行う可能性はほとんどなく 、当初認識時における 早期償還特性の公正価値は重要ではない と考えられます。

その場合は、期限前償還金額が 実質的に契約上の額面金額および利息に係る未払い金額に相当するもの (早期償還に対応する合理的な追加保証を含む)であれば、契約キャッシュ・フロー特性要件を満たすと考えられます。

2-4.ルックスルー・アプローチ

ノンリコース商品や、証券化商品については、 当該金融商品の契約上のキャッシュ・フローの返済原資となる原商品裏付キャッシュ・フローについても評価 しなければなりません。

IFRS第9号ではこれを ルックスルー と呼んでいます。

2-4-1.契約上リンクしている金融商品

このような構造を持つ商品においては、発行者の損失が各トランシェに配分される順位が決められており、 保有者への支払いに優先順位がつけられて信用リスクの集中が作られる結果、各トランシェが契約上リンク している点に特徴があります。

証券化商品などが典型例ですが、このような契約上リンクしている商品・トランシェの保有者は、 発行者が そのトランシェと等しいかそれよりも高い順位のトランシェへ支払うのに十分なキャッシュ・フローを生み出す場合 にのみ、元本および元本残高に対する利息の支払いを受ける権利を有している ことになります。

このようなトランシェの保有者は、(a)トランシェ自体の条件を検討するとともに、(b)トランシェに内在する原金融商品プールや、(c)トランシェと原金融商品プールの信用リスクに対する関連性を検討しなければなりません。

(a)分類を検討しているトランシェ自体の契約条件が、 元本および元本残高に対する利息の支払いのみ(契約キャッシュ・フロー特性要件)であるキャッシュ・フローを生み出していなければなりません 。

(b)分類を検討している トランシェのキャッシュ・フローを生み出している原資産金融商品プールを特定し ( ルックスルー )、 原資産の定義 その原金融商品プールが、元本および元本残高に対する利息の支払いのみである契約キャッシュ・フローを有する商品を一つ以上含んでいなければなりません 。

  • 原金融商品プールに含まれる金融商品のキャッシュ・フローの変動性を減少させる商品
    (例えば、金利キャップ・フロアーや信用リスクを減少させる契約)
  • 以下の差異に対処するために、トランシェのキャッシュ・フローと原金融商品プールのキャッシュ・フローとを一致させるもの
    1.固定金利と変動金利
    2.キャッシュ・フローが表示される通貨
    3.キャッシュ・フローが発生する時期

(c)分類を検討しているトランシェの信用リスクは、 原金融商品プール自体の信用リスクと同等またはそれ以下でなければなりません 。

  • 上記の条件を満たさない場合
  • 当初認識時に、上記の条件を判定できない場合
  • 当初認識後に、原金融商品プールが条件(b)を満たさなくなるように変化する可能性がある場合

2-4-2.ノンリコース・ローン

証券化商品などの中には、担保付債務について債務者がデフォルトに陥った際に、債権者はその請求権を回復するため、 特定の担保資産のみを責任財産とすることを認める契約条件 ( ノンリコース条項 )を含むものがあります。

ノンリコース条項が存在している場合は、債権者は、分類を検討する金融資産の契約キャッシュ・フローが元本残高に対する利息の支払いのみであるか否かを判定するために、 特定の原資産又はキャッシュ・フローを評価(ルックスルー)しなければなりません 。

金融資産の条件が元本残高に対する利息の支払いとは言えないキャッシュ・フローを生じさせるケースの具体例
・契約キャッシュ・フローの金額が 資産の業績に依存 する場合
・貸付金が 原資産の価値によって変動した金額で期限前償還が可能 となる場合
・ 特定の資産から生じるキャッシュ・フローにより契約上の支払額が決定 される場合
(開発型の不動産ノンリコース・ローンで、開発後に不動産から一定の賃料が受領できた場合にのみ利息が支払われるようなローン)

2-5.金融資産の分類に影響を与えない契約条項

・ 各報告期間においても、満期までの期間にわたり累積しても 、金融資産から生じる 契約上のキャッシュ・フローに与える影響が僅少な特性
極めて稀で、異常性が高く、かつ発生可能性が非常に低い事象が発生した場合にのみしか 契約上のキャッシュ・フローに影響を与えないような(真正でない)特性

ただし、通常の商取引において真正でない契約条項が含まれるケースは、極めて稀であると考えられるため、 契約条項が真正でないことによりキャッシュ・フロー要件の検討上考慮されないケースは相当限定的 であると考えられます。

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